今回紹介するのはこの前紹介した、親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。を書いたコダマナオコさんの新作海猫荘daysの一巻です。この方捏造トラップで初めて触れたのですが、そこから過去作を読んでいった感じで、キャラクターの絵柄がすごく好きで、過去作の短編の空気感がたまらないのです。
で、今作のあらすじはこんな感じ
唯一の親友に、婚約者を奪われた真由美。全てを捨てて、全てから逃げて、知り合いのいない田舎で心機一転中学教師生活…！と辿り着いた先で一番苦手な金髪ヤンキーに絡まれ、一緒に海に落ちるハメに。元凶のヤンキー女子・凜は、よりにもよって真由美の下宿先「海猫荘」の管理人だと名乗り…。傷を負ったオトナ女子を取り巻く海辺の街の日々と人々の物語、開幕。
一巻に入っている話が３話というのが特徴的かなと思います。一つ一つの話に田舎の日常風景や人物描写が詰まってて、田舎で進むストーリーが質感を持って感じられます。
そして「親が～」から思っていたことですが、コダマさんが描く作品が女性同士の新たなコミュニティの形を模索するような話になっていて。前作の「親が～」が都会の核家族的に女性同士のコミュニティを作るんだとしてら、今作は田舎の大家族的に女性同士のコミュニティを作ってく話になるのかなぁと感じました。
これまでになかったそういう百合の疑似家族もので、田舎の大家族ってあんまり知らないので、すごくその試みの時点ですごく面白い。今後どう展開していくのかがとても気になります。
キャラクターについては妾の子である阿島と本妻の子さくらの関係性が今後どうなっていくのかが楽しみ。この巻で明かされることも少ないので、今後進んでいくうえで物語の大きな推進力になるんじゃないでしょうか。
最後に
というわけで本作、作品世界の描き方も素敵だし、ジェンダー描写もすごく今っぽい問題意識で作られているんだなぁというのが感想です。今後この世界で話がどう展開するのか楽しみなので、皆さんも読んでみるのはどうでしょうか。
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