今回は天気の子を見てきた感想について書いていこうと思う。
自分は言の葉の庭が大好きな人間で、それ以外が微妙という感じなのですよね。君の名はも、まぁ面白かったかなって感じ。
天気の子に関しては個人的には途中から見ていてかなりしんどいレベルだったわけです。 世間的には賛否両論らしいのだけど、否の意見側として賛の意見ばかり見かけて本当に辟易しているので、まぁ見てきた直後だけど一気に書こうと思っているわけ。というわけでネタバレ全開で言いたいことを書いていくよ。
良かったところ
えっとまず良かったところをいくつかあげましょう。
まず良かったのは東京の風景の描写ですよね。私は東京の風景が大好きだし、雨の東京の絵面をあんなにきれいに描いたのは素直の良かった。
特に新宿・池袋は日々の生活で良く歩き回っているので、大体どう移動しているのか分かったのは楽しかったですな。
次はヒロインの子が可愛い。とにかく作画がいいし、家族おもいだし、なぜかいつも着てる服は健全にえっちいし、ホテルでガウンを着てるときはとってもえっちかった。すごく可愛かった。このかわいさがなかったら視聴が耐えられなかったでしょう。
そしてもう一つは平泉成が演じてる刑事さん。いやすごく深みがあっていいし、銃を構えてる絵面もとっても良かった。だけどあんまり活躍しなくて悲しくなっちゃった。
まぁ以上が良かったところかなぁ…。
やっぱり主人公が耐えられない
基本的にこの話は、自分が思った感情のままよく考えなくて動いても結局大丈夫ってお話。とにかく主人公がよく考えないまま行動することが多い。
象徴的なのが冒頭から主人公がyahoo知恵袋で質問をしていること。しかもそのクソみたいな返答を実際にやってみて大失敗。これについての感想がやっぱ東京って厳しいだったりする。いやいや、もうちょいいろいろ考えたほうがいいのでは???
しかも結局船で会ったよく知らない人のところに潜りこむってことでなんとかする。そう結局なんとかなっている。
この考えなしで行動して結局なんとかなるでしょってのが通奏低音のようにあるのがとてもしんどい。
私は今こういう考えの人が上司なせいで、これに伴う問題ごとを全部解決する役割になってる上に、ちゃんと懸念点を伝えたら、ポジティブな意見を言えと言われる。困ったことが起きたら他人に問題を振る人間に言われたくない。
ああ自分の話になってしまった…。というわけで、問題が起きたらなんとなるわけでなく、常になんとかしている人間がいるのだ。だから私はこの主人公の行動原理的なものが大嫌いだし、それが高校生にありがちなものだって言われても、あの三年後の感じをみるかぎり、そういうとこが成長してもいなさそうなのがね…。
そういうわけだから、この作品の主人公ってずっと逃げてるんですよ。何か課題を解決するために考えて動くということをしない。とにかくその場がどうにかなれば良くって、動きまわってればなんとかなっている感じ。
最後の最後に小さな祠に行くのだけ、考えているように見えるけど、あれも、きっとあそこに行ったらヒロインのところにいけるはずって思い込みだけなんですよね。君の名はではもう少しロジックがありましたよ…。しかもその思い込みだけでいけちゃうんですよねヒロインの世界へ。
そして最後の世界と彼女のどちらを選ぶのかって部分なんて、セカイ系って言えないくらい彼女しか選ぶ余地がないよなって感じなわけですよ。だって彼女を助けたら東京水没するなんて考えてないもん…。
しかもそれで東京沈んだ後からちょっと後悔してみたけど、そんなに被害あってないおばあさんや逆に成功者になったおじさんに励まされ、ヒロインにあって、自身の行動を肯定してしまうってのがね…。
たぶんああなったことで死んだひとだっていると思うんですよ。職を失ったひとだって多くいるだろうに…。
そういうのを全部考えないようにするってのはどうかと思うわけですね。私は絶対職を失う側の人間なので…。
ストーリー上のロジック不足
基本的にシナリオ上でやってることが君の名はとほぼ同じ感じだし、大きい物語上の大転換もないので、その面でストーリーの面白みがなかったなと。とにかくヒロインの子が大好きなのと、雨の東京ってテーマを結びつけて作品作った感じ。まぁこれはいつもの新海作品はこんな感じなので、前回つくってしまったハードルが高すぎるって感じなのだけど…。
ただまあ天気関係のロジック不足は否めないかと。結局ムー的な伝承を信じるしかないのが辛い。
どちらかというとポストトゥルース的な各個人が勝手に思い込むことが真実だって感じになってて、思想としてこれもとても擁護できない危険さがあると思う。
いろいろなガバガバさ
とにかくこの作品において、結構ガバガバでどうなのって思うところが多い。まず銃を使ったことに対して怒っていたヒロインが、天候の力で雷を起こして、爆破テロかってぐらいの爆発を起こすのだけど、そこに罪悪感ないっぽいし…。
あとは、島が嫌で出てったはずなのに、結構うまい具合に三年間高校生活してたみたいでなんだかなぁって感じだし…。
過剰な企業CM
とにかくこの作品スポンサーらしい企業の広告みたいなのが挟まてくる。トランスフォーマーの4でめっちゃ中国企業の商品が出てるのにめっちゃ似てる。つまりコラボしてるせいでちゃんと商品を出さんといけなくなって、ロゴとか見せてるからかその分テンポ感が悪くなってる気がする。
いやまぁ君の名はが大ヒットしちゃったから新海作品が利権の塊みたいになってるんだろうなって思えて悲しくなっちゃったな…。
まとめてみて
というわけで、最初に抱いた感想は、きれいな絵とエモめな曲が掛かる企業CMだなって感じだったんですよね…。大成建設の延長って感じ…。
いろんな企業がお金を出したいっていってますよって広告会社に言われて、とにかく作りましたよって感じがしてきちゃったんですよね…。
そうそう一緒に見に行った友人たちもみんな浮かない顔だったので、その時に印象的な言葉を乗せとこうと思います。
友人A;これまでいろんなセカイ系のゲームをしてきたけど、あまりにも積み重ねがなさすぎて薄っぺらくてつまらない。君の名はの下位互換。
友人B:途中で君の名はのキャラが出てきて幸せそうだったのは良かったんだけど、結局いろんな思い出のある東京が海に沈むのが許せない。なんか君の名はを今度みたら、でもこの東京って海に沈むんだよなと思って冷める。
といった感じでしたね。
終わった瞬間全員うーーんとため息を吐いていたので、感性が似てるのかなって安心したけど、嫌いなポイントは人それぞれな部分があって面白いですね。ただ主人公が好きになれないは一致していましたが…。
最後に
この作品が結構受け入れられてるのって、結構「考えなしで行動して結局なんとかなるでしょ 」ってのが社会の気分なのかもしれないとも思う。
今の社会、まじめに考えてもどうにもならないことが多すぎますからね。自分とにかく考えなくてもなんとかなるって思って生きていたほうが気が楽です。
ただまぁ、社会の中でめっちゃ生きづらく生きてる人間にはこの作品はすげぇ嫌だなって思うことが多い作品だったなと思うのです。
たとえそれが自分がおじさんでつまらない人間だと罵倒されるとしても、言いたいことは残しておこうと思うのです。
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