自由と自立 荒野のコトブキ飛行隊 感想

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アニメ

 先日発売されたエースコンバット7のVR、皆さん遊んだだろうか。僕は友人の家で遊ばせてもらった。遊んでみるとそこには本当に空を飛んでいるような体験があった。空は広く、重力とかそんな煩わしいものから解き放たれた自由な世界だった。飛んでいるときは爽快で気持ち良く、陸を離れてどこまでも続く空はどんなところでも行ける気になる。まぁ僕以外の友人たちはすぐに酔ってしまって断念してたけど。

 なので、荒野のコトブキ飛行隊の確か2話でチカが空に戻ってきたときに「久しぶりの空最高!」(うろ覚え)というシーンはまさしくエースコンバットのVRで自分が体験したことで心をがっしりと掴まれてしまった。そうコトブキ飛行隊とは空って自由なんだなってことを言い続けてくれる作品だとエースコンバットで遊んだ僕は感じたのだ。今回はそんな荒野のコトブキ飛行隊について思うままに書いていこうと思う。

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自由というテーマ

 荒野のコトブキ飛行隊という作品について考えてみるうえでまずそのテーマについてみていこう。この作品のテーマというと前述したとおり「自由」ということだろう。穴を独占しようとし自分に反対するものを潰すイサオに対し、自分たちの自由を守るために戦うコトブキ飛行隊。

 これがこの作品を概観したときに出てくる構造だ。また作中、細かくところどころでコトブキ飛行隊や所属するオウニ商会・それぞれのキャラクターが自由の価値を重要視している。

 この「自由」というテーマに対してこの作品はすごく真摯。まず、空は自由に対する分かりやすい象徴だ。空を飛ぶということは重力に縛られた地上から解放されているということだし、他者からのしがらみなどから離れた存在であるということだ。

 コトブキ飛行隊のホームベースは羽衣丸という飛行船だと考えると彼女たちの組織自体が、地上のしがらみからできるだけ離れて自由で自立した存在なのだと表現されている。

女性が自由であること

 コトブキ飛行隊が全員女性でオーナーも女性であるということもこの作品においては重要だろう。この作品ではガルパンのように戦車道をするのが女性だけという設定で逃げるのではなく、男女とも飛行機に乗る世界になっている。女性の社会における自由が大きな「自由」というテーマの中でも特に描こうとされているからだ。女性が自由であるということは男性と比べ相対的に現実世界では難しい面が多く、「自由」というテーマに対して親和性が高い。

ゆえに本作では現実では主に男のものであった戦いの場面が主に空戦のみになっているので、戦いなど現実では男性メインな場面も女性も普通に活躍でき、より対等な立場になってくる。飛行機の戦闘はより性差が少なく、腕っぷしの力ではなく個人の技術の優劣で勝敗がきまってくるからだ。

 この空戦においては性差がないということが、「空」自体の自由への象徴性に組み合わせり、さらに「空」の「自由」さにつながってきている。

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荒野の七人という元ネタ

 そうそう荒野のコトブキ飛行隊の元ネタが荒野の七人であることもあんまり言及されていないので、ここで書こうかと思う。まぁ荒野の七人は七人の侍が元ネタだったりするわけだが…。

 荒野の七人ってのは大規模な盗賊が襲う村をちょっと社会から疎外された7人のガンマンたちが助けて打倒するというお話。コトブキもラハマに雇われ用心棒したりしてる。

 荒野の七人もガンマンと村人たちで力を合わせて盗賊を倒し自由を守るという話でここにも自由というテーマが見え隠れしてくる。ここに男性だけだったガンマンたちが全員女性になった本作はより、前述したとおり自由というテーマ性が強く出ているように感じる。

まとめ

という感じでコトブキ飛行隊の主にテーマ性について考えてみた。実際この作品はすごく自由を大事にする雰囲気がすごく好きだったから毎回見てて楽しかった。もちろん単調になりがちなレシプロ機の戦闘を面白くみせる工夫が随所にあってそれも楽しかった。

 ただ荒野の七人を下敷きにしてるんだったら、もう少しコトブキの各キャラの戦い方に特徴があったらもっと良かったなぁ。荒野の七人だと狙撃が上手かったり、ナイフ投げが上手いキャラだったり各キャラが特徴的で、そこの魅力が強かった思い出がある。コトブキ乗ってる戦闘機の種類が違ってても良かったんじゃないかなぁと思う。

とはいえ荒野のコトブキ飛行隊は見てて解放感があるし、爽快なので見てみるのはいかがでしょうか。

オススメです。

 

 

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