【本紹介】超空気支配社会

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コロナになってこの方、息抜きのTwitterすら窮屈に感じてきた昨今。インターネット以外に本でも読むかと思っていろいろ買っていたりする。

今回は最近読んだ本の一つを紹介しようと思う。

紹介するのは辻田真佐憲著の超空気支配社会という本。

著者は戦前の軍歌の研究からプロパガンダ等々近代史研究をしている方。

本書ではこれまでの雑誌等々に寄稿している内容をまとめつつ書下ろしもしているものになっていて、内容はその時々、オリンピックや感染症等々の話題について過去の歴史を参照しつつ触れているというもの。

元々著者の人をTBSラジオとかで知り、文藝春秋のオンライン記事をボチボチ読んでいて面白かったので購入した次第。

煽り文とか内容でオリンピックの話とかコロナの話とか出ていてすごく窮屈というか、主張みたいなものを声高に言いまくっているのでは?と思うかもしれないが本書はそういうことは全くないので安心してほしい。

本書だと、導入でまず○○というのが最近問題・話題になっている。→過去にはこういう事例があったりする。→事例を提示した結果、問題の複雑性とか多面性が明らかになってきて、一つ離れた視点から現状を見つめなおそうというカタチになっているものが多い。

一例をあげるとオリンピックの意識についてが分かりやすいかもしれない。オリンピックについては断固やるべきみたいなものと開催辞めるべきが主張として顕在化しやすかったわけだけども、よくひきあいに出される60年代のオリンピックも当時の世論調査ではそんなに興味ない人が結構いたという。

自分もそうだけど、オリンピックと最初から面倒だし興味ないね~という感じだったわけで、この楽しまなければいけないみたいな空気が大変嫌なのだけど、実際はいろんな人がおり、過去もいたというのを理解できていい。

本書に関しては通じて事柄についてこの調子であるので、ここ最近ありがちで辟易している0か100かの話でなく、まぁいろんな考えのひとがグラデーションのようにいるよねっていうのを示してくれているので、ある種読んでいて安心する。

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最後に

最近のSNSとかはよく何かと漠然と類型化され、自分の行動もこういうやつはみたいな感じで漠然と批判されたりする。何かを分かりやすくし大げさに言うことこそSNSで注目される発言になるというのが身に染みて分かっているので、そういう言説はバカバカしいなぁと思うのだが、あまりに色々あるので疲れてきていた。そんなときにこの本を読み、少し視野が広くなった気がしたし、安堵感というのもあった。

普段からSNS的言説に疲れてきたなぁ~っていう人にはオススメな一冊なのでいかがだろうか。

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