今更ながら徒然日和の新刊の感想を書いていきます。
さて、まず漫画の話に入る前に唐突ですが、「徒然」の意味って知ってますか??
辞書的に言うとこんな感じなのです。
1 することがなくて退屈なこと。また、そのさま。手持ちぶさた。「読書をして病床の徒然
をまぎらわす」
「―な舟の中は人々の雑談で持切った」〈藤村・破戒〉
2 つくづくと物思いにふけること。
「―も慰めがたう、心細さまさりてなむ」〈源・賢木〉
3 しんみりとして寂しいこと。また、そのさま。
「いと―に人目も見えぬ所なれば」〈源・東屋〉
デジタル大辞泉
あんまり正しく認識していたわけでなかったのですが、することがなくて退屈だったり、物思いにふけったり寂しいなどという意味合いということが確認できるかと思います。
そんな意味を持つ徒然がタイトルに使われている徒然日和ですが、この2巻を読んで、なんとなくその意味が分かったような気がしました。
この巻の季節は夏。前の巻同様、背景の書き込みや様々な描写からすごく現実感を感じるのは変わらない。特に夏ということもあってか、夏の汗ばんで、熱い上に湿度が高いあのちょっと気持ち悪い感じが画面から伝わってきます。
そして、話としては初めて登場する先生グループのオトナ組とのBBQや海に行く話など夏らしいエピソードが展開していきます。
徒然日和の”徒然”ってなんだろう
ただ、楽しいだけじゃないのがこの作品らしさ。
それは一番初めのカラーページの話が典型的なので、それを例に話してみたい。 真冬 が休みの日に家でグダっとしてる中ふとスマホで時間を確認し、小春がもう出かけているのではと思いを馳せる場面。そう休みで退屈であり寂しく、ふと小春のことを思い出してしまう。
こういう一人の場面なんだけど寂しいと感じたりしていて、重要なだれかのことを思っているってことが、”徒然”という言葉がタイトルに使われている意味なのだなと思ったわけです。
そして、この”徒然”的なエピソードが最後の 七椰と実里の幼少期の話。
母親が亡くなったばかりの 実里をどうにか 七椰が元気づけようとする話。 実里と七椰の描写がとても良いし、お話もすごく素敵なのです。この巻の前のほうにもこのエピソードを予感させる場面もあって 、現在もこの昔のエピソードを覚えてて、大切な記憶にしている感じがするのが更に尊さを増している。
最後に
そんな徒然日和ですが、やはり一人で寂しさを感じたり物思いに耽っている描写はすごくうまいし、だからこそお話がただの楽しいエピソードじゃなく深みのあるものになっています。
人間関係の押し引きはないけれど、大切な誰かと離れていても思いあっている、そんな素敵な関係性を垣間見ることができる作品です。
是非読んでみるのはいかがでしょうか。
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